Awich(エイウィッチ)は日本ヒップホップ界の女帝とも言われる、沖縄県那覇市出身の女性ラッパーです。
19歳で渡米し大学を卒業し、アフリカ系男性と結婚、娘を出産しその後夫とは死別するという波乱に満ちた人生を歩んできた彼女だからこそ、ラップが似合うとも言える。
そんなAwichの両親はどのような人なのか、なぜ彼女はヒップホップをするようになったのかを探ってみました。
Awichは19歳でアメリカへ渡り、大学でビジネスの勉強をし、音楽活動もし、アメリカ人の男性と結婚もするというとても活発な行動派女性です。
Awichの両親はどんな人かネットで調べても余り情報は無く、Awichは子供の頃から親に依存せず、自分の世界を持ち、信じる道を自力で開拓していったように感じます。
ただ父親に関するエピソードがいくつかあります。
Awichが音楽で最初に好きになったのはSPEEDとDAPUMPだったそうです。
世代が一緒で同じ沖縄生まれ。
そして当時は沖縄アクターズスクールの全盛期で、自分もステージに上がりたいと思い、親に「アクターズスクールに入りたい!」と言うと猛反対されました。
お父さんは高校で生活指導の先生をやっていたのでとても厳しかったそうです。
ラッパーになると決めたときも超激怒されたということです。
そんなお父さんでしたが、Awichがアメリカへ渡った後、アメリカ人の男性と結婚・出産をした後3年経つかどうかという頃、家族で日本に戻り暮らすことを決めていた矢先、夫が銃殺されるという悲惨な事件に遭い、失意のどん底に陥り気力を失っていた時、お父さんの言葉によって再び立ち上がることが出来たそうです。
そのことを伝えるTikTok動画「awich絶望から立ちあがった」があります。
お父さんの言葉は「沖縄の人は全員、自分の大事な人、家族、友達を戦争で失っている。悲しみを持っているのは自分だけじゃない。悲しみを乗り越える強さを沖縄の人は持っている。」というもので、Awichは自分のルーツがそうなんだから、自分もきっとそれを乗り越えられる。
自分にもそういう強さがあるんだということを再認識させられた、と言っています。
その後、娘と共に沖縄に帰郷し、死んでもいいって思うなら歌を死ぬ気でやってみようと思いなおし、本当に生きることや愛すること、そして赦すことを見出し、本格的な音楽活動を再開出来るようになったのです。
Awichのお母さんの情報も殆どありませんが、写真がインスタの中にありました。
Awichにはトヨミ・ジャミラと言う娘さんがいて、娘さんは「2022年家族親戚の写真/Jiji and Baba and Mama and Cousins」というのをインスタに投稿しています。
前列の左からお母さん、お父さん、トヨミ・ジャミラ、Awichです。
後列の3人は従弟だということです。
お父さんもお母さんも年齢は70代か80歳ぐらいに見えます。
お二人とも元気そうですね。第二次世界大戦の戦後の大変な時代を生き抜いてこられています。
沖縄の人ですから、親などから戦争の悲惨な話などを聞き、しかも米軍の基地とずっとかかわって生きてこられた方たちですね。
その顔にはそのような苦労が刻み込まれているようにも感じます。
娘のトヨミ・ジャミラは、お父さんがアフリカ系のアメリカ人だったので、少し黒いですがとても可愛いですね。
Awichは日本のヒップホップクイーンと言われていますが、Awichがどんなご両親に育てられたのかを見てきました。
Awichがなぜヒップホップにはまり、それに打ち込んでいったのかについてはAwichが沖縄在住で、基地のある所で育ったということが大きく影響していると思われます。
ところでヒップホップ自体、日本人にはまだまだ馴染みの少ないジャンルじゃないかと思いますので、少しその解説をしてみたいと思います。
◇ヒップホップの誕生
1973年8月11日にブロンクス(ニューヨーク市)で催されたパーティーでヒップホップが生まれた、とされていて今年2023年は生誕50周年に当たっています。
ヒップホップには「4大要素」があって、MCing(ラップ)、DJing(スクラッチ)、Breaking(ブレイクダンス)、Writingとも呼ばれるグラフィティの4つです。
第一の要素のラップとは、ビートにのせてリズミカルに話すように歌う独特の歌唱法のことで、ヒップホップが有名ですが、ロックやポップスでラップを交えることもあります。
現在、ヒップホップという場合、ビートを聞かせた音楽にラップをのせたヒップホップミュージックのことを指すのが一般的になっています。
◇Awichのヒップホップ
2020年7月15日にAwichは配信シングル『Shook Shook』でメジャーデビューしました。
そして2022年03月10日メジャー・ファースト・アルバムとなる作品『Queendom』をリリース。
これぞラップというAwichの意気込みが感じられるアルバムに仕上げられています。
それと同時に日本武道館単独公演「Welcome to the Queendom」の開催が3月14日にありました。
ライブ当日は平日でしたが、数多くのファンが武道館に集結し、開演時刻にはほぼ満席になりました。
「ヒップホップの定義」についてどのように考えているかというインタビューにAwichは次のように答えています。
自分のルーツとかありのままの自分を受け入れて、それでいいって思えること。
自分が自分であるために、今まで起こってきたこと、今まで歩んで来た道、それを誇れることがヒップホップだと思います、とはっきりと言っています。
これってなかなかできない事じゃないでしょうか。
自分として嫌だったこと恥ずかしいことダメだったことなどは、嘘をついたりカモフラージュしたりしがちで、人には言いたくないものですよね。
それをありのままに人に語り、自然体で生きていく、ということなのでしょう。
自分は自分だし、分かってもらえないかもしれないけれど隠すこともない、という構えの生き方。
そういう詩を紡いでいったものがラップになるんでしょうね。
AwichのQueendomの中で、「大嫌いだった沖縄、is my home」という下りがあります。
ええっ?そうだったの、という驚きがありますが、そこがまた良いんですね。
ところで今はまだヒップホップは日本人の認知度は高いとは言えない状態で、Awichの曲でもオリコンの順位ではBeatが14位、Queendomは17位が最高ということを見ても分かります。
ヒップホップをもっともっとオーバーグラウンドに押し上げていけたらいいな、と思っているとAwichは言っています。
私個人の感想ですが、ヒップホップは早口で詩を語っていくので、全部の意味が1回聞いただけでは分かりづらい、という印象があります。
それも慣れの問題かもしれませんが。
何度も聞くうちに分かってくる、そういうものかもしれません。
これから若者を中心に自分の置かれている境遇がつらかったり、現実社会への不満、怒りみたいなものを感じているなら、ヒップホップと接することで何か癒されることが有るかもしれません。
今後のヒップホップの人気の高まりに期待していきたいですね。
徐々にヒップホップをするアーティストも増えてきているが、まだまだ日本全体には浸透していない。
Awichはもっと多くの日本人にヒップホップを広めていきたいと考え、それに向けて活動している。