神戸の水陸両用バス!営業中止の理由と再開はいつかを調査した

水陸両用バスは日本各地にあって、神戸は特に山と海が接近した街なので観光用には持ってこいの交通手段でしょう。実際に2010年頃には神戸の街なかを走っていましたが、いつの間にか無くなってしまいました。

運行中にいくつかのトラブルがあったようで、いったん運行休止となってしまっていますが、水陸両用バスが陸へ上る所付近が現在工事中なので、今は再開出来ない状態となっています。

再開はもう無理なのかと不安になり、神戸市及び運行に関係している団体に問い合わせをしてみました。

その返事の内容と、神戸での運行トラブルが他の類似の乗り物の事故例とを比較して、再開の可能性はどうなのかを探ってみましたので是非最後までお読みください。

以前、神戸の街なかを走っていた水陸両用バス

2010年頃に、神戸の三宮や北野などを走る観光用の水陸両用バスを時折見かけることがありました。見た印象は「船が道路上を走っている」と言う感じ。色は黄色で遠くからも目立つし、通常のバスぐらいの大きさではあるが車高がとても高かったです。

神戸港をゆったりと遊覧するスプラッシュ神戸。(以下3枚の写真は360@旅行ナビ様より使用許諾済み)
海から陸へ上がるところ
陸に上がった後は神戸市内の観光スポットを回ります。

そのバスが自分の近くを通っていくと、そのあまりの大きさにまず驚かされ、普通走っている乗用車、バス、トラックとは違って、やはり船なので少し不思議な気持ちがしました。

でも神戸の港の風景と街なかの観光とを一度に体験できるので、通常の観光バスにはないエキサイティングな観光ができたのだろうと思います。

特に陸から海へ突入して行くときは普段味わえないスリル・爽快感があって楽しかったのではないでしょうか。

その水陸両用バスで事故があった

水陸両用バスは「スプラッシュ神戸」という名前で、運賃は3000円。神戸市内観光と神戸港の遊覧もできるというものでした。

ところが運用開始から5年後にブレーキ故障のために歩道に乗り上げる事故を起こしました。さらにその約1か月後、今度は整備不良なのか走行中に車輪のボルトが外れるというトラブルを起こしたため運休しました。そしてその後廃止となってしまいました。

現在、バスの陸への上り口で防潮堤工事をしている

水陸両用バスは海から先ず跳ね橋を開いた所を通過し、陸へ上がるためのスロープ部分を登って街なかへ入っていきます。そのスロープのすぐ先で2022年1月現在、可動式の防潮堤を建築中なのです。

水陸両用バスの陸への上り口。向こうに見えるのが跳ね橋で手前側に上陸するためのスロープが設けられている。
水陸両用バスの陸への上り口のところで防潮堤工事が行われている。道路上のグレーに見えるところが電動式の防潮堤で、高潮や津波発生時には板状の防潮堤が電動で立ち上がってくるようになっている。

この可動式防潮堤の場所をバスは通らねばならないので、防潮堤工事が終わるまでは水陸両用バスはここを通れず、運行することはできません。

神戸市などに水陸両用バス復活について質問してみた

水陸両用バスは現在運行中止していますが、いつ頃運行再開するのかなと思い、まず神戸市コールセンターにメールで以下のような質問をしてみました。

「水陸両用バスの再開がもし予定されているなら、いつ頃か教えていただけますでしょうか」

すると神戸市経済観光局観光企画課というところから「今後の運行予定については神戸市では把握しておりません」という返事が来ました。

把握していない、ということは運行の主体でないから分かりません、という意味のようなので、他の問い合わせ先を調べることにしました。元々の水陸両用バスの運営会社はダックツアー・タイコー(株)という会社でしたが、現在神戸の事業所は連絡がつかなくなっていました。

なかなか良い問い合わせ先が無くて困ったのですが、次に[ダックツアー・タイコー 神戸 問い合わせ]で調べると神戸旅客船協会というのが出てきました。ここなら何かわかるかなと思い、神戸旅客船協会にメールで「今後また前のように運行再開する予定や計画は無いのですか?神戸の観光としては魅力的なものだと思います。教えていただけますでしょうか。」と質問しました。(2022年1月30日)

するとすぐ次の日に私に直接電話で返事有ったのです。「コロナが終息したら、再開はあり得ます。楽しみにして待って下さい」とのことでした。電話が来るとは思わずちょっとびっくりしましたが、良い返事だったし予想外に丁寧な対応だったのでうれしかったです。

日本全国では東京、大阪をはじめとし青森、茨木、神奈川、長崎などで同じような水陸両用バスを使った観光はあるので、神戸だけが無理という事はないだろうとは思っていましたが、この返事が来たことで水陸両用バスの再開はあり得るんだなと感じました。

ということで、早くその日がやってきて欲しいと思います。そして水陸両用バスの活躍によって神戸が観光の街として、再び活気づいてもらいたいなと思います。

観光用や遊園地での乗り物の事故例とその後

水陸両用の観光バスに限らずこうした観光用の乗り物による事故というのは過去にも色々起きていますが、その原因を究明し再発防止策を講じたうえで後にまた再開する例は多くあります。そのような実例を2つ取り上げてみました。

◇2013年に起きたエジプトでの熱気球事故

この事故では燃料のガスが漏れて引火して炎上、落下するというものでしたが、この熱気球ツアーを企画した旅行会社はその後国内外のすべての熱気球ツアーを一時販売休止しました。しかしその後このような熱気球ツアーは再開されています。

◇2007年に大阪のエキスポランドで起きたジェットコースターの脱線事故

脱線の原因は金属疲労ではないかとされていますが、そのジェットコースターは撤去され他のタイプのジェットコースターで営業は再開されています。

これらの事故例と神戸の水陸両用バスの事故とを比較すると、神戸の場合には乗客や通行人にケガはなく、神戸の方がかなり軽いものだと言えそうです。だから現在行われている防潮堤の工事や、新型コロナのまん延状態が解消されていけば神戸に水陸両用バスの観光が復活することはあり得ると私は思っています。

まとめ

東京、大阪をはじめ全国10か所以上にある水陸両用バスによる観光は、新型コロナの感染症まん延の中でも稼働しているようです。

神戸だけが車両の整備不良のために事故となり、廃止にまでなってしまったことはとても残念です。営業再開があることを祈りつつ、無用の長物となってしまった跳ね橋の写真を最後に出しておきます。

水陸両用バスの陸への上り口となるところ。ハーバーランドの神戸煉瓦倉庫の西にある。

写真の上の方にT字型の構造が左右に2つ見えます。そのT字の根元から水路に橋が掛かっていて橋の真ん中が左右の連結部です。橋を開ける時はT字型の根元を回転軸としT字の上部が釣合い重りとなっていて、左と右へ八の字に回転しながら跳ね上がります。(おもりの働きで小さな回転力で済むという仕組み)

この跳ね橋は水陸両用バスのために作ったはずですが、今も残っていてその橋を開ける必要は無くなりました。

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