神戸の真珠業者の団体をご紹介!神戸まつりで毎年出店のイベントとは?

どの業界にも組合とか親睦を深めるための団体や、その他のさまざまな業界人の集まりが有ると思いますが、真珠業界にもいろいろな団体があります。

神戸には真珠加工の会社が全国で最も多く集まっています。そんな神戸にはPCK協議会という真珠業者の団体があります。ややお堅い名称ではありますが、「神戸は真珠の街」ということをもっと全国にアピールして広めていこう、認知度を高めていこう、という活動をしている団体です。

私自身も30数年前に加入してさまざまなイベントに参加してきました。真珠業界には他にもいくつか団体がありますが、真珠の街神戸のアピールをしているPCK協議会は、結局真珠自体を広める活動をしている団体なのだと思います。

もしあなたがこれから神戸で真珠加工の会社に入ってみようと考えておられるなら、ぜひPCKのイベントにも参加されることをお勧めします。PCK協議会には個性あふれる楽しい方々がたくさんいます。そこではいろいろな話や情報が聞けたり、ためになることや楽しいことが出てくるので、参加してよかったと思われるはずです。会社の中にいるだけでは分からないことも分かり、視野も広がると思います。

この記事では、PCK協議会がどんなイベントを行っているのか、会議はどんな感じで開かれているか、また会議に出ることの面白さやメリットについても紹介していきます。

神戸のPCK協議会とはどんな会か?

主な活動内容

もともと神戸には真珠業者のための親睦を深める目的の集まりである神戸真珠親睦会というのが最初にあって、あとからこのPCK協議会は発足いたしました。神戸真珠親睦会の方は文字通り親睦を深めるための活動が主で、マージャンをしたりゴルフをしたりする集まりです。

そのうちに親睦だけではなく、真珠業界をもっと盛り上げようとか、神戸は真珠の加工業者が日本で一番多く集まっていて、そのことを一般の方にももっとアピールしていこうというスローガンで、このPCK協議会は設立されました。

年会費は1社2万円で、会議室は日本真珠会館といって国指定の有形文化財となった建物の中の1室を使用しています。

真珠会館と見学ツアー参加者の映像
日本真珠会館の見学ツアーの様子 写真提供はPCK協議会

日本真珠会館の見学ツアー

日本真珠会館は国登録有形文化財であること、その建築学的な価値が評価され「日本のモダニズム建築100選」に選ばれたこと、老朽化で建て替え予定となっていることなどからPCK協議会主催で見学ツアーは開催されています。

開催の時期は毎年12月に開催される神戸ルミナリエに合わせて開かれます。1日3回、各20名定員、一般の方を対象に参加料500円(特別冊子付き)で行われています。

真珠会館を紹介する冊子の表紙の画像
冊子の表紙に日本真珠会館の4階建ての外観の写真が載せられています。この建物の建築学的な価値についての説明があると思いますが、詳細についてはツアーに参加したうえで冊子を購入してお読みください。

日本真珠会館の現状

2021年8月24日に私は真珠会館に行ってきましたが、会館の中ではPCK協議会以外にも何社かテナントとして一般企業に部屋を貸しだし、建て替え予定のはずが部屋は使われている状態でした。

エレベーターも以前は古すぎて使用禁止になっていましたが、新品に取り換えられています。また今でも月に1回程度、真珠の製品入札も会館の4階で開催されています。

PCK協議会の事務局の人の話でも、建て替えの話は数年前から言われてはいるけれども、当分の間はこのまま使っていくようです。

私もたまに用があって真珠会館に行きますが、会館の中に入ると神戸三宮のにぎやかなムードとは全く違って、レトロで静かで独特の厳かな雰囲気に包まれた空間とでも言うのでしょうか、気持ちが落ち着く感じがします。これを壊すのは本当にもったいないなあと思います。

PCK協議会の定例会議

PCK協議会の主な会員は第2水曜など月に1回、日本真珠会館の2階にある会議室に集まります。集まった会員はそこで定例の会議をします。これから予定のあるイベントの内容をどうしていくのかを、みんなで話し合って決めていきます。

ここで自分の意見をみんなの前で発言するのは、最初は何か気恥ずかしかったり、ちょっと勇気が必要みたいなところはあります。でも回を重ねるごとに、なにも発言せずにいるとなんか損した感じですし、会に出る必要もないことに気づいて、段々意見を言えるようになってくるものです。

PCK協議会の住所や電話など詳しいことをお知りになりたい方はPCK協議会のホームページがありますので、そちらをご覧ください。

私が参加した行事

PCK協議会が毎年行っている行事に神戸まつりへの参加があります。

神戸まつりは2020年と2021年は新型コロナウイルスの感染拡大のため中止になりましたが、それまでは毎年5月もしくは7月に神戸市中央区の三宮を中心に開催されていて、PCK協議会としても必ず参加しています。

神戸まつりは主にパレードとマーケットイベント、ステージイベントの3つで構成されていますが、PCK協議会はマーケットイベントに参加しています。神戸市役所前の路上のスペースに多くのテントが設営され、その一角にPCK協議会もブースをかまえます。

そこで行うイベントに子供相手のサイコロゲームというのがありました。

サイコロゲームの内容

このようなイベントはすべてPCK会員が会議室に集まって開かれる月1回の会議でアイデアを出し、賛成、反対の意見を出し合って決まっていきます。

このサイコロゲームは、PCK協議会が神戸まつりにブースを出して何かをしようとした最初のイベントです。神戸まつりを見に来た子供にうけるゲームのようなイベントをしようという中で出てきたアイデアでした。

当時何かのテレビ番組で大きなサイコロを振って出た目のパネルを開けるという趣向をまねたもので、子供が絶対に喜ぶというのですぐにこれで行こうと決まりました。会員の中にアイデアマンという感じの者がいて、こういうアイデアをポンポンと出してきたので私なんかは、うなずくばかりでした。

6x6のマス目のボードを用意して、料金500円で子供にビーチボールぐらいの大きなサイコロを2回投げてもらいます。そして例えば2と5が出た場合なら、ボード上で2行目の5列目のマス目に書かれている景品を差し上げるというゲームです。お菓子だったりおもちゃだったり、大当たりは真珠のペンダントや淡水真珠のネックレスなどです。

この真珠は会員の中で引き受けても良いよ、と手を挙げた会社に出してもらい、ペンダントの加工も専門の会社が引き受け、ケースなどもすべて卸値で出してもらっていました。

大当たりの真珠が当たる確率は36分の1なのでなかなか出ないですが、当たりが出たときに「時価1万円相当の真珠が当たりましたー」と叫んであげると、当たった人はびっくりして大喜びします。その喜ぶ顔を見ていると、スタッフの方も準備段階や当日の苦労も吹き飛んでしまいますね。

予想の来客数から予算を決め、確率も考えて各景品内容を設定し調達することで極力赤字が出ない様にしていました。神戸まつりには子供がたくさん来ますし、このサイコロゲームは毎年大人気のイベントでした。

1日で50~60人は来てくれて、ある年などは3時ぐらいでまだ終了時間ではないのに準備した景品がほとんど全てなくなって、スタッフが慌てて追加でお菓子を買いに走ったこともありました。

私は子供にサイコロを渡す係りをしたりしていました。スタッフもイベントをしていると結構楽しめます。このイベントは神戸まつりの日曜日1日だけで、お金を扱う係り、景品を渡す係り、パネルの位置を棒で指す係りなど6~7人のスタッフが必要でしたが、時々メンバーを交代しながらやってました。

私自身の息子も小学校低学年だったと思いますが当日神戸まつりにやってきて、このゲームに参加しサイコロを投げること自体が面白いみたいで、とても楽しそうでした。

むき貝というイベント

サイコロゲーム自体は人気ではあったのですが、あまり毎年同じだと飽きられるという事で、何か次のイベントはないかとみんなで考えました。そのような時に会議の中で、誰かが「剥き貝」というイベントがある、と言い出したのです。

これはビニール製の幼児用の小さなプールに水を入れ、たくさんのアコヤ貝が入っていて、その中から好きな貝を一つだけ選んでもらいます。選んだ貝をその場でこちらのスタッフがナイフで開いて中から真珠を取り出すというもの。

海外では水族館などで特に夏にこの「むき貝」イベントがよく開催されている、とその会員は言っていました。それは面白いということで話が弾み、たまたま会員の1社がそのむき貝用のアコヤ貝を数十個缶に入れて販売している会社を知っていたのです。

それさえ手に入れば、あとは貝をむく専用のナイフと小さな幼児用プールがあればイベントはできるぞ、ということになり、このイベントはPCKの会議で決定されたのです。

一般の人はアコヤ貝を見るのはおそらく初めてでしょうから、貝を見るだけでも興味津々でしょう。さらにその貝の中に、真珠が入っているというのはエキサイティングです。どんな貝を選ぶか、大きい貝には大きな真珠が入っているかも、とか考えながら貝を選ぶのは楽しいでしょうね。

幼児用プールの上でスタッフがアコヤ貝を剥き取り出した真珠をゲーム参加者に渡すところ。
アコヤ貝を剥くと中から真珠が出てきて、皆さん大喜びします。

出てきた真珠はすぐにその場で穴を開けて、ペンダントに加工してお客さんに差し上げます。真珠に穴を開けるのは、穴明けが特に上手な会員が担当し、穴開け機も前日までに用意しておいて、神戸まつりの当日に会場に搬入します。ペンダントの金具と真珠を接着する作業は、日頃そういう仕事を良くしている会員が担当してやります。

こうして貝をむく係りを始め数人のスタッフが手分けして、このイベントはやっていきます。このイベントも人気で毎年実施しています。

各行事はどのようにして決められるか

このようなイベントは神戸まつりの日の2~3カ月前から会員10名ほどが集まって会議をして、いろいろと意見を出し合って細部まで決めていきます。ゲームの景品に出すお菓子、おもちゃ、真珠製品など必要なものの数、金額、そしてそれらを誰が仕入れに行くのか・・・。

会議は月に1回が基本ですが、このようなイベントが近づいてくると不定期にも集まって、準備が当日に間に合うように話し合いがもたれます。大体6時ぐらいから始まって8時までと言ってても、8時半、9時になることも度々でした。

会議が終わった後は、自然に飲みに行こうということもありました。こういうイベントを通じて、他社の人と知り合いになれたりするので、仕事上のことでもきっとプラスになりますよ。

私自身もPCKで知り合った会員の会社へ商品を借りに行くようになったり、逆に知り合った会員の人が私の会社に訪れてきて、取引するようになった会社も数社あります。

イベントが終わった後の打ち上げが楽しみ

イベントに参加したスタッフは、イベント当日はほぼ丸一日つぶれるので、ご苦労さんでしたという意味で後日に打ち上げ会が開かれます。

打ち上げ会は会員が知っている店で良さそうなレストランや居酒屋などで開かれ、10人ぐらいが集まります。イベントが成功すると結構な収益が出ることもあり、そういう時の打ち上げ会は会費がタダになることもありました。

まとめ

神戸には真珠の加工卸業者が、全国の中でも最も多く集まっている。

神戸で積極的に真珠業者としての情報発信をしている団体は、PCK協議会です。
業界の団体には極力加入して、そこで行われる行事に参加すれば仕事上のことでもプラスになります。

今はコロナの問題があるので、イベントは大半が中止となっていますが、業界人としてはコロナが収束すれば徐々にこうした行事に参加をして、楽しむと同時に交際の範囲を広げることも大切だと思います。

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